きらきらひかれ

ジャニオタのブログです。→ほぼ茶の間。

ジャニオタと恋愛

 

2019年6月。社会人になって2か月が過ぎたころ、私は絶望していました。

 

こんなところ(良くも悪くも年齢層が落ち着きすぎている中小企業)にいたら一生彼氏出来なくない…??????

 

そう、就職した会社がおじさんばかりでした。

 

わざわざ大フォントで言うことではない。

 

 

学生時代はオタクが楽しすぎて「彼氏ほし~」とか口先で言ってはみても、多分本気じゃなかったんですよね。

それが就職してしばらく経つと『彼氏!!!!!欲しすぎ!!!!!!!!!』という猛烈な欲求に襲われました。なんだろうね…適齢?になって自分の遺伝子を残したい!みたいな本能なのかな…??(現時点でも子供が欲しい願望は全くないんですが)

 

そんな中、日常の中でほとんどの時間を過ごす社内を見渡して(弊社、おじさんしかいなくない?)となったわけであります。

 

 

と、言うことで彼氏作ろう!!となったものの、作り方が分からねえ。

ここ数年、(概念の)超絶イケメン同期の飲み友達がいたり

 

m160321.hatenablog.com

 

(概念の)オットがいたりした期間はあったものの、

 

m160321.hatenablog.com

 

そういやリアルな彼氏っていつからいないっけ…?となっていたところに天の声(※仲良しのオタク)が、

 

マッチングアプリ始めてみたら?」

 

マッチングアプリ

そう、時は令和。恋愛とかいうクソめんどくせえ(オタク比)ジャンルにも文明の利器が。

 

…使うしかなくない?

だって女性は無料っていうし(※アプリによる)(でも好みの男と出会えるかも分からんのに一般人に課金したくないし)(一般人)、そもそもおじさんばっかの会社じゃなかったとしても社内恋愛とか別れた時に気まず過ぎるのは嫌だったし、なかなか自分の好みが偏っていることは自覚していたし、そうなるともう数打つしかなくない????言い方よ。

 

そうと決まれば生き急ぎオタク、早速アプリダウンロードからの登録、そしてプロフィール作成までをこなし…

 

 

マッチングアプリをやったことある方ならご存じかと思うんですけど、登録したばっかの頃ってすげーーーーー「いいね」来るんですよね。

 

一日で何十人からも来る「いいね」に対してプロフィール写真や自己紹介文のみで判断して「いいね」を返す、次はアプリ内でメッセージのやりとり、その次はLINEに移ってまたメッセージのやりとり、そこで話が弾んだら実際にお会いしましょう!って感じの流れが多いかと思うんですが、これを同時進行で複数人とやってると「めっちゃ日程長い公演のチケ取引か?」みたいなった(伝わって)

 

なんやかんやでアプリダウンロードしてから一か月くらいで数名の方とお会いしました。が、

 

そこに関しては割愛します(察してください)

…必要な箇所だけ抜粋すると、会った中で一人「好きかもしれねえな…?」と思った人がいたんですが、二回目に会った直後からLINEの返信が無くなりました。マッチングアプリあるある)

 

数年ぶりにリアルで好きになりかけてたし、でも連絡は全然取れないし、やっぱり妄想のオットなんか作ってたクソオタクにはリアルの彼氏なんか出来ないんだ…とわりと落ち込んでたところに、そう。

 

SHOW BOYが始まりました。(クソオタク)


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https://www.tohostage.com/showboy/

 

SHOW BOYマッッッジで楽しかったんですよね。ほんとに。週1~2でクリエ行くっていうオタクらしい健やかな生活を送ってたらマジで現実の男なんてどうでもうよくなりました。良くない…

 

名古屋まで遠征もして、ほんとにめちゃめちゃに楽しくて。終わったあとに久しぶりにちょっと抜け殻みたいになって。

公演期間中は現場のことで頭がいっぱいだったから、それが終わった時、なんだか手持無沙汰になってしまった。ほんの暇つぶしの気持ちで数週間ぶりになんとなくアプリを開いてみた、時だった。

 

ドタイプな男がいる。

 

…いたんですよ。

写真から伝わってくる、色白で黒髪で決してやせ型ではなく、笑った時に口が大きくあく男…

 

ラブ

 

極めつけは彼がプロフィールに書いていた「好きなおつまみはチャンジャです」でした。

 

ビッグラブ

 

 

あるじゃないですか。まだコンサートや舞台で踊ったり演技したりしている所は見たことがなくて、雑誌でのインタビューや写真でしか”彼”のことを知らないけど(え?好き)ってなること、あるじゃないですか。

 

その次にオタクが起こす行動と言えばただ一つ。

 

現場に入ろう(違う)

 

持ち前のフッ軽さをこれでもかというくらいに駆使し、まずは彼のLINEをゲット。さらには「でも結局会ってみないと分からなくないですか?」という誘い文句(になってるのかも分からん台詞)で会う約束を取り付け、なんやかんやでマッチングしてから約1週間後には会うことになっていました。オタクらしいスピード感ですね。

 

 

そして当日。

 

待ち合わせ場所に行くと、人込みの中でも割とすぐに分かりました。なぜなら顔がタイプだったので。

白Tシャツに黒ジーンズにバンズ(黒)、しかもアプリの写真ではよく分からなかったけど天パくせ毛じゃん…。

 

と、またラブを募らせていた私を連れて行ってくれたのは馬刺しの店でした。

 

好き

 

初対面の、それも顔が好きな男の人と、私が最後の晩餐にすると決めている馬刺しを一緒につつきながら焼酎を飲めるって何?今日死ぬんか??

 

それまでマッチングした人達には何となく「ジャニーズが好き」って言えなかったんですけど、この人ならなんかもういいかなってなって、酔った勢いで翌々日に広島までオタクと飛行機で遠征することまで打ち明けてました。

 

「明後日、広島行くんですよ。A.B.C-Zのコンサートで」

「塚ちゃんのいるグループ?塚ちゃん近くで見られるといいね」

「(わざわざ広島まで行くの?みたいなツッコミはないんだ…)」

 

 

もうめっちゃ好きだなと確信して、確信したまではよかったんですが、やっちまいました。

 

2軒目の居酒屋で飲みすぎてつぶれるという失態を犯しました。

 

いや~~なんで2軒目で飲み放題頼んだんだろうね?ウケる。

 

そして気づいたら翌朝、彼の家でした。

 

やっちまった。いやヤってはないんですけど。(言い方よ)

マジで手は出されてなかった。

 

…それはそれでどうなん??と寝起きの頭でぼーっとしている私に「大丈夫?」「おれ仕事だから出ちゃうけどまだ寝てていいし、冷蔵庫の野菜ジュース飲んでいいからね」と声をかけて出ていく彼を見送ることしかできなかったです。(私はその日有給取ってた)

 

その後ちゃっかり二度寝して(よく知らん人の家で二度寝できる神経の持ち主)、外に出るともうすっかり昼で、焼けるぐらいのアスファルトの上を一人でグーグルマップ見ながら駅まで歩いてたら、もうあの人には会えないかもしれないと思って泣きそうになったのを今でも覚えてます。すぐ感傷的になるネガティブマン…

 

勝手に落ち込んで、とりあえずお礼のLINEだけでもしておこう…と思って返信が来た時には驚きました。初対面で酔いつぶれてホイホイ家についていく女…私だったら絶対嫌だけどマジ…???しかもまた会ってくれる…ぽい…??トゥンク

 

その翌日には広島へ飛び、せっかくだからとコンサートだけでなくホテルに泊まって観光も楽しんで、夕方に広島空港からまた飛行機に乗ろうとしていた、その時だった。

 

「会いたい」

 

まじ???まじのやつ????

 

「いつにする?」

「今日の夜か明日は?」

 

話、はえーーーーーーーーーーーー(好き)

 

今日は帰るの深夜になるし明日にしよう、とりあえずこれから飛行機に乗っちゃうからまた時間はあとで連絡する、と足早にやりとりし、翌日の夕方にはたった5日前に会った彼とまた居酒屋にいました。

 

その日も当たりみたいに前に楽しくお酒を飲んで、でも次の日が月曜だったからもう帰んなきゃ…ってなって。あ〜〜帰るのか、帰りたくねえな〜〜〜って思ってたら口からポロっと出てた。「〇〇くんのこと好きかも」つって。

 

好きかもとかクソダサい言い方したな〜〜〜ア〜〜〜〜〜〜って思う暇もなく返ってきたのは「おれも好き。付き合う?」だった。

 

話、はえーーーーーーーーーーーー(好き)(二回目)

 

 

 

そんなこんなで初めて会ってから5日で付き合い初めてもうすぐ1年になります(結)

 

こんなブログ、マジのマジで自己満でしかないんですけど、『ジャニオタと恋愛』っていうテーマの記事が前から好きだったこともありまして、このタイミングで自分も書いてみよっかな?と思った次第です。

 

来年、来月、彼との関係がどうなってるかなんて分からないけれど(別れてる可能性もあるし)(笑うところ)、とりあえずオタクがマッチングアプリで彼氏を作った話は以上になります。

 

 

最後に、最近彼氏に言われて笑っちゃった言葉を。

「2人でどっか行く?ってなったときすぐに下調べとか電車とか決めてくれるから助かるよ。まあたまに生き急ぎ過ぎてて心配になるけど(笑)」

 

 

 

オタクのクセ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福田悠太のリリックを語るのに140字で足るはずがない

から、こっちに書き始めたんですけど。

 

愛ってなんだろうとかこの歳になると考えちゃうことがあるんですよ。「無償の愛」とかいうけど、全然わかんない。わかるけど、わかんない。親に育ててもらったこととかが多分私の中で一番それに近いんだろうけど、でも自分がおんなじこと出来るか?って言われたら、無理。存在はなんとなく把握してるけど、会得は無理。自分が主体になるのは無理。無理です。

自分にはないものに憧れるから、だから愛の人にめちゃくちゃ弱い自覚がある。しかもそれが綺麗な顔で、わりとめんどくさくて、みたいな、とにかくそういう自分好みの男が愛の人だったりしたらまーーーーーーーーーー降参、ギブです。

 

結論、福田悠太さんのリリックやばくなかった?って話がしたいだけです。

 

着ぐるみの演出はご本人発案だと思うんですけど、なんかちょっとGACHIのロボット思いだしちゃったのは私だけじゃないですよね。

一番最初に福田さんのソロを観たとき、あほみたいに泣けて面白かった。ステージに立ってるとこしか知らない、別にそこまで熱心に現場に通ってるわけじゃないオタクがあえて書いちゃいますけど、福ちゃん、すごい愛じゃん(すごい愛じゃん?)。

いやなんていうかもう、この際福田さんが愛を信じてるとかはどうでもよくて(とんだ本末転倒)、そもそも福田さんが愛がどうとかを伝えたいがための選曲なのかも知らないけど、ソロ曲として選んだのが『リリック』っていうところで福田悠太さんと福田悠太の解釈が一致しすぎて最高…さいこう…SAIKO…。【①福田悠太さん】と【②福田悠太さんアイドルVer.】が存在すると仮定した場合、私は①≠②であることが「おもしろ~~」ってなるオタクでありまして、だけど「①の”アイドル”が②であった」という状況にはなんていうか…めっちゃ興奮する…しません…???

あちらサイドがそれほど考えてるわけじゃないかもしけないけど、『リリック』が愛の歌なのは事実じゃん。やば。

つーーーーか福ちゃんめちゃめちゃめちゃめちゃ歌上手くなってないか?えっ?無理なんですけど。私のキャパ、そんなに大きくないんですけど。上手くなってるだけならまだしも自信というか、そうじゃないかもだけど福田さんがなんか開放されてる感がすごい。ダンスとか演技とか、そういう”福田悠太を体現するツール”に『歌』が新入りした感じ。福ちゃんはもっともっとすごくなる。

 

なんかしらのオタクやってる人になら分ってもらえると思うけど、ただただ楽しいな~って気持ちで払う金の心地良さったら、ない。絶対に自分で金出して手に入れたチケットなのに

「無料じゃん……」ってなる…。ふぉ~ゆ~の現場って明らかその極楽味わう頻度が高すぎて、コスパが良すぎるんじゃない??これからも実質無料現場(※体感)入れるといいな~~~~~と思う。おわります。

 

 

 

ショーのおわりに

 

舞台の見方って、人それぞれだと思うんですけど。わたしはわりと役柄どうしとか、役と中の人(演者)の対応とかを考えてしまうタイプなんですよね。だけど、こんなにも自分に透過させてしまう舞台って初めてかもしれないな、って終わってから思った。

 

自分の夢とかやりたいこととか理想とか才能とか実力とか運とかどうしようもない現実とか。

 

「カード次々めくるように夢追いかけるには もう遅い」

「ステップ次々踏むように夢追いかけるには もう遅い」

ってところでめちゃくちゃグサグサきてしまった。

 

裏方、ギャンブラー、マフィア、見習いの4人は(少女やエンジェルもだけど)自分の夢を諦めたり諦めようとしていたり、自分の現状にもやもやしていたりして、でもみんなそんなもんかなって思った。けれど最後のショーでそういう人たちがひと皮むけたり、壁を壊したりできるところが”お話”のいいところだよね。なにより、そのショーを束ねる支配人が、人生はいくつになっても選べるって信じている(ように見える)ところが救いだなと思う。

 

支配人は傍から見れば「選んだ」じゃなくて「選ばされた」ように見えなくもない。両親が死んで、キャバレーの経営を継ぐことは本当に心からの本人の意思だったのか、それともなんとなく、とか、しかたなく、だったのか。それしかない道を、それでも自分で「選んだ」のか。分からないけれど、そういう道をたどってきた支配人がなにも諦めていないところがまぶしくて好きだな。

 

どうにも出来ないこととか、しょうがないことって確かにある。だけど、人生はショー。ショーは何があっても続けなきゃいけないし、幕があがったらそれが下りるまでは一時停止もやり直しもできない。

 

人生はショータイム。

みんなエンターテイナー。

ノーバディ イズ  パーフェクト。

 

わたしがこの作品から受けとったのはこれだけだし、これってめちゃめちゃシンプルで分かりやすい。だからきっと好き。

 

こういうことってどれだけ「面白がれるか」みたいなところが重要になってくる気がするんだけど、そういう作品をふぉ~ゆ~が演じて、すごくぴたっとはまる感じがした。

 

この舞台でわたしが好きなのは、何も押し付けてこないところだなと思う。たまにすげー制作サイドのアレを押し付けてくる作品ってありますけど、それって押し売りだし。選択権をゆだねられてる感じに、信頼と一種のリスペクトみたいなものを勝手に受け取ってしまって、嬉しくて震えそうになる。

 

アイドルのおたくをやってるとどうしてもそのアイドルしか見られなくなることがあって。実際にそれをするかは別として、脚本とか演出とか音楽とか、そういうの全部「どうでもいい」って投げ出したくなったり、場合によっては(作品のクオリティとかの問題で)投げ出さねえとやってらんねーよ、みたいなことが今までにわたしは、なくもなくもないんですけど。だから純粋に作品を、アイドルたちのことは二の次でそれ自体を心から「面白い!」って思えるものに出会うと楽しくてしょうがない。それであとからじんわり、この人たちを好きになってよかったなと思う。

 

わたしはふぉ~ゆ~を好きになってよかった。

 

 

 

 

20190108

 

ラブバトル、延長戦行ってきました。

 

行くかどうか迷ったんですけど、なんなら行かないつもりでいた時期もあったんですけど、行ってきました。戦に。笑

 

 

わたしはもうある意味で無関係の人間になったつもりだから、コンサートが始まって序盤までは、なんとなく別世界を見ているみたいな気持ちになった。1枚膜を通して向こう側を見ているみたいな。透明で、よく見えるのに聴こえるのに、違う世界にいるような。足元がふわふわする感覚があった。

 

だけど、JOYしたいキモチでジョイポリスに友達と何度も行ったこととか、ペルソナゲームでこの曲戸塚担の友達がめっちゃ好きな曲だよなあとか、イナビは担当やってたときからずーーっとコンサートで聴きたいって言い続けてたけどこのタイミングかあとか、砂グラとか。

 

 

センステに5人が集まって、戸塚くんはギターを下げていて、ああたぶんあの曲だろうなって思ったら(良い意味で)めちゃくちゃ裏切られて思わず叫んだ。

 

わたしにとってVはとてもとても重要な位置にある曲で。曲だったって言ったほうがいまはもう正しいのかもしれないけれど。わたしだけじゃなくて、ほとんどの戸塚担はそうなんじゃないかなって勝手に思っている。

 

あのころの戸塚くんを見ていたわたしは、言ってしまえば戸塚くんが世界の中心だった気がする。大げさだけど、ある意味でほんとうにそうだった。上半身裸でギターを下げてきたときのこととか、楽しそうに踊ってたのとか、いろんなことがフラッシュバックしてめまいがしそうになった。戸塚くんはずっと戸塚くんを生きていてほしい。

 

 

ずっとLOVEとかざえびはもちろん、砂グラとかVanillaも自然と踊れちゃう自分がいて、それに気づいておかしくなった。3年ちょっとでだいぶ鍛えられたなあ笑。戸塚くんの担当をやってた証みたいなものだと思うことにしよう。

 

 

ちょっと前に質問箱にもらった匿名のメッセージで、「めいさんがA.B.C-Zを嫌いになってなくてよかったです」と言ってもらえたことがある。このひとに、わたしはどういうふうに写っていたんだろうって気になった。この言葉をもらったときの気持ちは、たぶん『嬉しい』だったからそういうことにしようと思った。

 

あの5人を、A.B.C-Zを、橋本くんを戸塚くんを河合くんを五関くんを塚田くんを、嫌いになるなんてたぶんわたしには一生無理だと思う。正直、降りる直前は色々ゴタゴタがあってうーんと思う時期はあったけれど笑。でも結局は無理だった。好きじゃなくなることはできても、嫌いになることはとてもとても、難しい。難しいからこんなふうにとりとめもく、思うことをだらだらた書いている。

 

 

本当にたまたまなんだけど、今回の追加公演のセトリはわたしにとって思い出のある曲がたくさん詰め込まれていて。歌って踊る5人を見ながら、記憶が勝手に脳内再生されて、あの頃が自分の青春だったのかもなあって思った。青春って、ね。自分で書いててムズムズするけどほんとうにそう思っちゃったので書きました。ひとつ区切りがつけられて、良かったのかなあ、分からないけれど、ちょっとすっきりした。定規で線を引いたみたいに、きれいに区切れた。

 

いままでのことは、しっかり真空パックに詰め込んで、脳みその中にとっておきたいなあと思う。それでときどき取り出して眺めたりすると思う。わたしは、A.B.C-Zを好きになって良かった。

 

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(全然横アリっぽい写真が撮れてなかった)

 

 

おわり

 

 

20181112

 

 

こんなことを書く意味は無いとは分かってはいるんですけど、なかなか経験することってないと思うから記念に書こうと思います。人によっては不快に感じるかもしれないので、あー無理っすわ!ってなったらすぐ閉じて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと前にツイッターのアカウントを消しました。理由は言わずに消したんですが、今その理由を言うとすれば戸塚くんのファンを、戸塚担を、一旦辞めたい、と思ったからです。

 

そもそもあのアカウントは(このブログを読んでくれている人が全員私のツイッターも見てくれていた、という前提で話してすみません)、戸塚くんが好きで、好きで好きでどうしようもなくなって作ったアカウントでした。戸塚くんの文脈で語るなら、わたしの心の形が変わったから。だからもうそのままじゃいられないな、と思って消しました。事後報告になって、というかそもそもそこにそんなに興味もないと思うんですけど、そういうことでした。

 

 

わたしはずっと「降りる」ということは「好きじゃなくなった」ってこととイコールだと思ってたんですけど、どうやら違ったようで。いや大きなくくりで言えば一緒なのかもしれないけど、厳密には違くて。今の戸塚くんについては正直心は動かされないけど、担当を降りる直前まで、多分わたしが戸塚担であった最後の1秒までの戸塚くんのことは、これを書いている今でも絶対に嫌いになれないんですよね。嫌いになれないというか、許してしまうって言ったほうが近いかもしれない。

 

それぞれ担降りって違うものだと思うけど、わたしの場合はそうだった。

 

 

もっと悲しいとか辛いとか、そういう感情になるかなって思ってたんですけど、全くそうじゃなかった。「降りよう!」とかそういうふうにヨイショッ!みたいな心の準備があったわけでもなんでもなく、気づいたときには「ああもうわたしはこのひとの担当ではないな」って、静かにそう思いました。

 

 

このブログの最初に「戸塚担を一旦辞めたい」と書いたのは、将来の自分への保険です。1年後にでも来週にでも、もしかしたら明日にでも、わたしはまた戸塚くんの担当を名乗りたくなってしまっているかもしれないから、そのくらい魅力的な人だって今でもわりと本気で信じているから、そう書きました。

 

 

 

 

あとは、なんだろうなぁ。よくある思い出語りみたいなのしていいですか?笑 勝手にします。

 

 

 

 

戸塚担をしている間、たくさん大切な思い出が出来ました。仲良くしてくれた友達もそうだし、オタクじゃなかったら絶対行かなかった場所にも行けた。夜行バスで大阪行ったり、神戸まで飛行機で飛んだり。オタクと現場後に飲むお酒がめちゃくちゃ美味しいって知ったのも、戸塚くんのオタクをやってたからだと思う。

 

いつまでも覚えておきたいと思う戸塚くんの現場は、やっぱりSLTのオーラスかなあ。このブログを前から読んでくれている方にはね、「またかよ!」って感じだと思うんですけど。すいませんね、またします。

 

わたしはジャニオタになるまで、何かを見て感動して泣いたりとか、そういうのに縁遠い人間だった。まあ今は、単純に年取ったから涙もろくなったのもあると思うけど。

SLTの、もっと言えば『世界一』の戸塚くんは本当に綺麗だった。綺麗っていうか、無垢っていうのかなあ。ビューティフルじゃなくてピュアのほう。

そこにいる人がきれいで、きれいすぎて泣いたことってあります?わたしはなかった。あのときが初めてだった。発光して見えたもん。本当に。

戸塚くんがきれいだなと思ったらなんだか泣けてきて、どうしようと思って隣を見たら連番した友達も泣いていて。今思い出すとなんか、眩しいな。ああいう体験ってしようと思って出来るものじゃないし、もう2度とないかもしれない。それはそれで、いいような気もする。

 

 

 

わたしは戸塚くんとよく似ていると勝手に思ってて。まあそれは当然内面の話なんですけど。だから戸塚くんが底の深いぬかるみみたいなものに足を取られてた(ように感じた)時期は自分を鏡写しで見てるみたいで辛かった。だけどそんな自分も結局のところ大好きなんだろうなぁ、って思わせる戸塚くんから発信される文章とかを読んでいると、なんていうか毎回すごく救われたような気持ちになった。自分のことをもっと好きになってもいいんじゃないかって思えた。戸塚くんは愛に寛容な人だから、愛を基準にして世界を見てる人だから、愛に貪欲な人だから、結局なんだって愛さずにはいられないんだろうなって思う。それが他人でも、自分でも、誰でも。世界を。

 

 

 

戸塚くんに「ここを直して!」とか「ここはこうするべきだよ!」とか、担当やってる間は(多分)一度も思ったことなくて。何て言うか、もう半ば諦めというか。諦めって言うと言葉が悪いかもしれないけれど、もう今さら変わらないよねっていう。32歳だしね笑。戸塚くんはずっと変わらないと思うし、変わってほしいとも、もうこれを書いてる今は思わない。だから戸塚くんを愛してる人たちのために、一生懸命にこれからもアイドルとしての戸塚祥太さんを生きてください、っていうのはこんなどこにでもいるオタクが言えた言葉じゃない、ので。

アイドルとしての戸塚くんがもっとたくさんの人から愛される世界であって下さい、ということにしておきます。この世界へ、ね!

 

 

 

 

こんなのね、今さら担降りしたやつがうるせーよって感じだと思うんですけど笑。でも、それでも3年くらいかな?戸塚くんを見てきたのはわたしの中で事実で、本当に嘘じゃないので。たった3年ぽっち、って思われても当然だけど、でももうわたしには絶対に戻ってこない3年間なんです。だから書きたいことを思った通りに書きました。

 

 

 

 

 

 

なんかツイッター消したときより、今のほうが悲しいなー。悲しいじゃなくて、さみしいかな。これを書き終わったら本当の本当に、終わり。

 

 

 

わたしは『自担の戸塚くん』をずっと、戸塚祥太 作・演出・主演の『ジャニーズアイドル 戸塚くん』として観てきたつもりだったんですけど。とても楽しかったよ。面白かった。戸塚くんが人生かけて演者やってるものの観客が出来て、本当に良かった。

 

 

 

 

戸塚くんのことを好きでいたときの自分とその感情は、今思い出してもすごくすごくきれいだったなって思っていて。これまでの戸塚くんのことを思い出しながらこの文を書いていたら、そのときの気持ちを思い出して、なんだか懐かしくなった。

 

 

 

 

いま、このとき、一旦区切りをつけようと思った今。

 

 

自分が戸塚担だったことを、きれいな思い出に昇華しようとしている自分の心の動きを、わたしはいままで全ての答えだと思うことにする。ありがとうとかそんなことを言いたいわけじゃない。そんなこと、この段階で言えるほど出来たオタクじゃない。だからとりあえず、これからも元気にアイドルやってて下さい。以上。

 

お誕生日、おめでとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき


感想を送ってくださった方へ。ありがとうございました。わたしの書いた文を読んでそう思ってくれたこと、純粋に嬉しかったです。最後に、そんな言葉が貰えると思ってなかった。本当にありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

ひと月くらい前に人生で初めて煙草を買った。戸塚くんのファンをどう続けていこうか、わりと本気で悩んでいたときに買いました。今思うと何やってんだよ、って感じだな!笑 恥ずかしー。

1ヶ月かけてゆっくり消費して、このブログを書き上げたとき、残っていた最後の2本を吸いながら、自分の文章を読み直しました。灰になっていく煙草を見て、メロンソーダみたいな味の煙を吸いながら、なんだか戸塚くんが好きそうなシチュエーションだなあと思いました。なんとなく。もう吸いません。

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

11/14 追記

また感想を送ってくださった方がいたので、ここにお返事を書きたいと思います。ここに書くのが、なんとなく正しい置き場な気がするので。

 

わたしは戸塚担でいた3年と少しの間、戸塚くんのことをいちばん「知りたい」と思う対象として見ていた節がありました。

わたしの研究室のボスに『PDCA』(プラン・ドウ・チェック・アクション)という言葉を教えてもらったことがあります。目標を計画的に、効率よく達成するためのものらしいですね。これとは少し違うけど、どういうひとなんだろうって考えて、現場に入って、自分なりにそれを噛み砕いて、ツイッターやブログにアウトプットする…まあ実際はそんな堅苦しいものじゃなかったですけど笑。でも、それを繰り返してきた3年だったと思います。

今回感想を読ませていただいて思ったのは、わたしは戸塚くんがどういうひとであるかを知りたいと思うのと同時に、自分自身が戸塚くんという存在に触れてどう変化するのかも知りたかったのかもしれない、ということです。わたしはずっと前から、わたしのことが好きではないです。多分『自尊感情』というやつが低い人間ですね笑。だから「どうやったら好きになれるか」というか「どうして嫌いなのか」をずっと探っていました。その探索の延長で、きっと自分を客観視しようとしてるくせがついてるんだと思います。まあだから何?って話なんですけど、感想をいただいてわたしはそれに気付けたので、ありがとうございます、とお礼を言いたいです。

アイドルを応援するのって、とても面白いことだと思います。自分ではない他人を通して、自分を見ることがあります。チケットの当落とか、当たったあとも座席の位置とか、自分よりも他のひとが羨ましくなって妬ましくなって、そんな自分を嫌な人間だって自覚させられることとかあります。…これを書いている今、だから自分めんどくせーんだよ!ってキレそうになってきたので、そろそろここらへんでやめておきます。

あ!このブログを読んで「柔らかくて優しいかたなんだろうなと感じました」って、わたしの人生史上3本の指には入るであろうものすごい褒め言葉(ですよね?)をいただいたんですけど、普段のわたし、めちゃくちゃ言葉遣い悪いです笑。でも高校の時大好きだった先生に「言葉はそのひとを写す鏡」って言われたことがあって、それから書く文だけは丁寧を心がけてきたので、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。これからもお互いにジャニオタ楽しみましょう。note、頑張って書こうと思います。

 

 

 

 

 

なつのおわり

 

 

ジャニーズにA.B.C-Zっていうグループがいて、みんなアクロバットができて、5人中4人は30代で、ちょっと(かなり)おかしくて、かっこよくて、そのA.B.C-Z戸塚祥太っていうめちゃくちゃ面白いアイドルがいるんですけど、 

 

いるんですよ。

 

わたしは戸塚くんのことを世界一面白い人間だと思っていて、それは3年前に「戸塚担」を自称し始めたときから変わらない。戸塚くんてめちゃくちゃ面白いんだよ。訳わかんないくらいに。

 

何かを好きになるとかってその何かを理解したいと思うことだと思っていて、わたしは戸塚くんのことを理解したいと思いつつ戸塚担をやっているわけなんだけど3年以上経った今でも全然、まったく、理解できない。戸塚くんは戸塚くんの人生の文脈どおりに生きていて、多分たまにその道をそれたりして、でもその外れた道だって戸塚くんのものだよね、って頷けるくらいには戸塚担の自分に慣れてきたかもしれない。

 

 

 

大宮公演の話をする。一曲目、花言葉のイントロで「いや〜〜やっぱいい曲だな〜〜」ってしみじみしながら戸塚くんの目を見て笑ってしまった。やべえやつだ、ってコンマ3秒で分かった。3日間山籠りしてきたみたいな目してた。5時間滝に打たれたあとみたいな目してた。終始やばくて「やべーー!!!」って思いながら見てた。そういう戸塚くん見るの、楽しくてわりと好きな戸塚担なので。なんだけど『Forget How To Forget』で目をぎゅーーっとつぶったまま歌う戸塚くんは、一昨年のツアーのオーラスでわたしが号泣させられた戸塚くんに重なってしまって視界がちょっとぼやけた。戸塚くんを見ると毎回「こんなに綺麗な人っているんだな」って思う。ありきたりな言葉だけど戸塚くんがアイドルになってくれて良かったなぁ、いまでもアイドルの仕事やっててくれて良かったなぁって何度も何度も思いながら、この先もわたしは戸塚くんのおたくをやるんだろうな。きっと。『忘れ方を忘れてしまう』なんてよく出来た歌詞だ。ぴったり過ぎて困るな、本当に。

 

 

踊ったり歌ったりしてる5人を見ながら、「すげ〜〜"コンサート感"あるな!」って思っていた。心の隅で一昨年のSLTの初日を思い出しながら。あの時はなかなかやばかったよね、曲間とかさ。なんだよあの沈黙!みたいなのとかさ。あったよなぁ、それでもA.B.C-Zは毎年「楽しい」と「最高」を更新してるな、って思いながら見た。わたしはここ3年ちょいの間でしかファンをやってないけど、それでも5人が成長してるんだなっていうのが分かる。ジュニアの時代から見てる人たちならもっともっと感じるんだろうなって思う。はしちゃんはよく喋ってよく笑うようになった。五関くんもそう。塚ちゃんはずっと面白い。戸塚くんは、よく分からない。戸塚くんはずっと穏やかな気がする。たまに変なスイッチ入るけど。だけど、河合くんが一生懸命喋って回して、っていうMCじゃなくなったのはいつからだっけ。河合くんははしちゃんとか五関くんとか塚ちゃんに突っ込まれたりしててかわいかったなぁ。A.B.C-Zっていいなぁって思った。それは毎年のことなんだけど。

 

 

おたくをやっている自分にもこなさなきゃいけない毎日があって。ご飯食べて洗濯したりとか光熱費払ったりとか、大学行ったりとかバイトしたりとか。変わらなきゃいけないこととか、どうやっても変えられないこともある。

 

最近、好きな人とか応援したい人がいるってとても楽だなと思うことが多くなった。わたしの場合はそれがアイドルだから、リリースされるCDとDVDを買って、コンサートと舞台があれば申し込んで、チケットを取って、現場に入る。わたしは本格的に(本格的にっていうのもなんかおかしいけど)ジャニオタを始めたのが戸塚くんのファンになってからなんだけど、最近になってようやくそういうルーティーンみたいなのが掴めてきた気がする。変わらないものが側にあるってとても楽だ。わたしが応援してるのはアイドルに入った生身の『にんげん』だから「変わらないと思わせてくれるもの」って言ったほうが正しいのかもしれないけど。何かあったときに戻る場所があるって安心だよなあって思う。わたしが、わたし自身のためにアイドルを好きでいる方法を身につけたのかもしれないな。

 

 

今年の夏も早かったな。早くて楽しかった。「来年の夏も」の保証はなにもないけど、それでも絶対楽しいって無責任に言ってしまえるくらいにはわたしはA.B.C-Zを好きだし、信用したい、してる。

 

 

JOYしたいキモチ、オリコンウィークリー1位おめでと!そんでもって横アリ追加公演ありがと!!楽しみ!!!

 

 

 

デイゼロ、のその日

 

(※若干舞台についてのネタバレを含むかもしれません)

 

 

 

 

 

 

 

 

前日の19時くらいまで、ほんとにほんとに水戸に行くつもりはなかったんだ。まあ今となってはただの言い訳みたいになってしまうけど。

 

 

前日20時くらいになって「あ、そういや明日初日じゃん」と思い出した。21時くらいになって「…水戸なら、行けなくもないな」と思い始めて、22時には譲りのチケットを探していた。おたく、フットワークの軽さだけが取り柄です。幸い、とても良い方に譲ってもらえることになって、話がちゃんとまとまったのが、もう日付越えてだいぶ経った時間だったかなぁ。譲って頂いたのがめちゃくちゃ丁寧にやり取りしてくださる方で(本当に感謝しかない)、それだけでもうこの舞台が良いものになるんじゃないかって、なんとなく予感めいたものがした。

 

 

 

当日、お昼の12時に研究室を抜け出して(つくづくダメな院生だ)、普通電車を乗り継いで水戸に向かった。朝大学に寄ってJRの学割証ちゃんともらってきてたあたり、ちゃっかりしてるなあ自分、と思う。

 

水戸に向かうまでなんにも手に付かなくて、カバンに入れてた文庫本を開いたりもしてみたけど、全く内容が頭に入ってこなかった。3ページ読んだくらいで諦めて、またカバンにしまい直した。

 

 

 

 

日暮里で乗り換えて常磐線の電車に揺られていたら、ふと気づくと斜向かいにおじいさんが座っていた。そのおじいさんが、持ってたレジ袋からレモンのストロング缶酎ハイを取り出して、美味しそうに飲んでたのが羨ましかった。電車はとても空いていた。ゆっくりゆっくりロングの缶酎ハイを飲み終えたあと、もうひとつ持っていたレジ袋から何かを取り出したなと思ったら、それが薬の処方箋だったから、心の中で「おいおいおじいちゃん大丈夫?」って話しかけたりした。おじいちゃんはつまんなそうに処方箋を眺めたあと、またレジ袋にしまい直して、確か赤塚で降りて行った。

 

 

 

水戸駅で降りるのは二度目だった。2年前の3月、茨城大に進学した高校時代の友達の家に遊びに来た時以来。一度目に来たときはたしか花言葉(※A.B.C-Zの8枚目のDVD。名曲です)が発売された直後で、友達にわざわざ「見たいCDがあるんだけど」ってお願いして2〜3軒CDショップを回って、各店舗でどういうふうなコーナーが作られてるかをただ見て回った。その友達には最初、A.B.C-Zが好きとは伝えてなかったんだけど、さすがに2軒目のお店で「なんのCD買いたいの?」と聞かれたから「実はいまA.B.C-Zが好きでね、新しく出たDVDがどういう感じか見たかっただけなんだ」と告白した。わたしはジャニーズの「ジャ」の字も言わないような女子高生をやってたから、その子は凄く驚いてた。まあこれはいま関係ない話なんですけどね。

 

 

 

でもさ、その時はまさか、当時Jr.(しかもアラサー)だった推しの初単独主演ミュージカルを観るためだけにまた水戸へやって来るなんて、思いもしないじゃあないですか。

 

 

 

ぼんやり覚えていた水戸駅の構内を歩いて、4番のバス乗り場からバスに乗り、劇場に向かった。スムーズにチケットを受け取ることが出来て、時間が余っていたからロビーでぼうっとしていた。これから自分がなにを観ようとしているのか、頭では分かっていたけど、心が追いついていなかった。

 

 

開場の時間になっても、なんだかすぐには劇場に入る気分になれなくて、ロビーの端っこで、さも「友達を待ってるんですよ」みたいな顔して突っ立っていた。ぞろぞろと劇場内に吸い込まれていくひとたちを横目で眺めながら、開演10分前になってようやく中に入って席に着いた。

 

 

初めて入った水戸芸術館の劇場はこぢんまりとして、でも内装が素敵だった。背もたれは低めでちょっと座りにくかった。ぐるりとまわりを見渡してようやく、「あ、ここの舞台が始まりになるんだ」という実感が湧いた。

 

 

 

開演予定の18時半を少し過ぎてから、始まったと思う。うす暗く照明が落とされたシンと静まった劇場で、気づいたらすぐ横に福ちゃんが立っていたからひどく驚いた。驚いて顔を見上げたけど、その横顔はもう、福ちゃんのものじゃなかった。

 

 

 

2016年に『コインロッカーベイビーズ』という音楽劇の舞台があった(A.B.C-Z 橋本くんと河合くんが主演だった)。とても大好きなオタクの友達(河合くんのおたくです)がいて、その子とこの舞台を観劇したんだけど、わたしが初めてこの舞台を観たその日、2回目の観劇だったという彼女は既に劇中歌やセリフをめちゃくちゃ暗記していた。劇中歌を歌いながら、ご飯を食べようと移動した渋谷のスクランブル交差点を渡ったりしていた。「すごいね」とわたしが言ったら「劇中はメモとか取ってないんだけど、覚えてるんだよね。多分この舞台がすごく好きなんだと思う」と答えが返ってきた。その時は「いや、それでもすごいって」と言い返したけど、今ならちょっと、あの子が言っていたことが分かるような気がしてしまう。

 

 

 

ジョージ(福田くん)やモリー(谷口さん)やディクソン(上口さん)やアーロン(内藤さん)やパトリシア(梅田さん)やカウンセラー(西川さん)、ほかにも登場人物はいるけれど、まだ一度きりしか観ていないのに、案外、自分でも驚くくらいに彼らの言葉を覚えている。歌も覚えている。わたしはすんなりと、この舞台の虜になった。始まって5分くらいで「これは好きですわ」と、なんとなく全面降伏させられたような気分になったのも覚えている。

 

 

 

劇が始まるまでは泣くのかなぁとか考えていたけど、お芝居が始まった途端にそんなことは忘れていた。「福田悠太さんの初主演ミュージカル」の感慨に浸る余裕なんてなかった。このお話に、ただただ飲み込まれるしかなかった。

 

 

 

 

偶然だけどわたしは今年に入ってから、このデイゼロの前にも戦争を扱ったミュージカル(『マタ・ハリ』)を観劇していた。その時にも頭に浮かんできたのは「戦争ってなんなんだろう」という漠然としすぎている疑問だった。死にたくない、生きたい、大切な人とともに生きたい。でもじゃあ、その大切な人を守るには?自分が戦うしかないんじゃないか?死にたくないけど、戦地へ行く。誰かを守るために、誰かを殺す。それが「しょうがない」で済まされてしまうのが戦争なのだ、たぶん。

 

 

 

舞台、特にミュージカルは、「面白い or 面白くない」と同じく「合う or 合わない」があると思っているんだけど、わたしはこのデイゼロの世界がとても好きだし、きっと自分に合っていると勝手に思い込んでいる。最後のシーン、作り込まれたラストへの盛り上がりとかそういうのじゃなくて、何かが「プツン」と切れたような感じ。人が死というものと本気で向かい合わなければいけなくなったとき、ああなるのかもしれない。お話が閉じたときその一瞬、透明な時間が流れた気がした。「え、これで終わりなのか」と思った次にはもう、キャストの皆さんが深々とお辞儀をしていた。拍手に包まれながら、顔を上げたその表情はたぶんいつもの福ちゃんに戻っていた。

  

 

 

 

何度かここにも書いている気がするけど、わたしが初めて福ちゃんを知ったのは2015→2016のカウコンだった。東京ドームにいたわけでもなく、テレビの中継で見ていた。タキツバのバックでVenusを踊っているふぉ〜ゆ〜を、福ちゃんを見てから、なんとなく頭からずっと離れてくれなかった。それからリア恋やら(ここは笑うところです)いくつかのふぉ〜ゆ〜主演舞台を経て、去年の冬、半ば強引に認めさせられたような感じで(完全に主観なんだけど、でも福ちゃんに関してはそういう感覚だった)福田悠太さんの担当を名乗るようになったのだけど、そのときはまさか、こんな日が来ると思ってなかった。

 

辰巳くんの主演舞台が決まったと聞いたときは、「ああそうか」と思った。ふぉ〜ゆ〜で先陣切るなら辰巳雄大でしょう。大いに納得です。だけど福ちゃんの主演舞台が次に来るとは思ってなかった。しかもミュージカル。わたしは福ちゃんの歌が好きだから、大丈夫でしょうって勝手に思っていたけど、たぶん福ちゃんは自分で「歌は得意じゃない」って思ってるんだろうなとなんとなく感づいていた(実際にそのようなことを雑誌でも言っていた)。

 

 

担当になってから知ったんだけど、福ちゃんは恐ろしく自己肯定力が低い。謙遜とかじゃなく本気で本気で自分のことを「ダメなやつ」みたいに言う。努力を見せるのも嫌いなんだと思う。照れ屋でもある。中学生のときとか、中間テストの前に「勉強した?」って聞いても「全然してねー」って言ったくせにフツーに平均点以上取ってなんでもないような顔してるやついたじゃないですか。福ちゃんああいうタイプだと思ってます(ちなみにここでの例えは、福田くんの学力偏差値が高いかどうかとは別問題です)。なんだよもう、あなた何歳なんだよ。今年32になるんでしょう。もういい加減、自分が恐ろしく綺麗で、ダンスも上手で、演技も出来て、自信ないって言ってた歌も超実力派キャストの方々と「まあ張り合えるんじゃね?」くらいのレベルまで努力で歌えるようになってしまえる福田悠太さんだっていうことを認めたほうが良い。認めて、楽になってしまえよ。福ちゃんは格好良すぎるよ。福ちゃんを格好良いって認めてないの、福ちゃんくらいだよ。

 

 

 

 

 

 

ミュージカル『DAY ZERO』はまだ始まったばかりだ。これからもっともっと福ちゃんの演技と歌と、もろもろ含めた「役者 福田悠太」が成長してしまうって考えると、楽しみでも、ちょっぴり恐ろしくもある。

 

 

 

 

 

キャストの皆様が最後のその日まで全力で走り抜けられるよう、祈りを込めて。